このたび、講談社様より初のYA単行本『おにのまつり』を刊行することになりました!
YA小説も岡山小説もかねてからの夢だったので(こちらの記事参照)ものすごく嬉しいです。挿画は中島梨絵先生、帯の推薦コメントはあさのあつこ先生です!
【あらすじ】
岡山の夏の風物詩、踊りを中心とするお祭り「うらじゃ」。中3のあさひは、先生からコーチ役を頼まれ、同級生4人の”問題児”とともに、「鬼の祭り」といわれるうらじゃに参加することに。踊りの練習を重ね、温羅(うら)伝説について知るうち、5人は少しずつ理解し合い、それぞれの抱えるトラウマを乗り越えていくーー。
うらじゃの音楽に乗せ、古代吉備の歴史と温羅伝説を紐解きながら、ちょっとずつ近づいたり離れたり、でもやっぱりバラバラだったりする、5人の中学生の夏を描きました。
うらじゃについて、詳しくはこちら↓
全編がっつり晴れの国、忖度なしの岡山弁でお届けします。なんなら岡山の人に読んでもらえればそれでいいくらいの気持ちです。うらじゃの小説やこー岡山人が読まなんだら誰が読むんなら。よろしゅうたのまーよ。(岡山の読者様、どうぞよしなに!)
デビューから一貫してファンタジックなエンタメ小説ばかり書いてきた私ですが、今回の作品はファンタジー要素ゼロ、がっちり取材してなるべくリアルに描くことを目指しました。これまでの作品とはかなり読み味が違うのではないかなあと思います。(とはいえ、私は元々は高校文芸出身で、デビュー前はどちらかというとこういうのばかり書いていたのですが。)
よく言われることですが、エンタメにおいては、あくまで読者様に楽しんでいただくことが最優先。スッキリとした読後感を提供するため、「敵を倒す」とか「謎を解く」とか「気になるあの子と仲良くなる」とか、要するに「問題を解決する」ことが目的になりがちです。
でも今回は、あえて「問題を解決しない」ことを念頭に置いて書きました。世界って結構矛盾だらけで不条理なのかもしれない、正義が勝つとは限らないのかもしれない、努力ではどうにもならない問題もあるのかもしれない……、そう気づき始めるのがYA世代だと思うからです。
でも、だからこそ、祭りがある。日常に落ちる影を掃い、また新しい一歩を踏み出すために、祝祭の場がある。そこにあるのは「解決」でなく、たぶん、「解放」なのだと思います。5人の中学生の心の解放の物語を、どうぞ見守ってください。
とにかく岡山大好きなので、まだまだ書き足りません。美観地区とか瀬戸内海とか蒜山高原とかも書きた~い!!! そのためにも、『おにのまつり』ぜひぜひ応援よろしくお願いします。7/11発売(電子版は7/8配信)です!
詳しくはこちら↓
そしてなんと同じ週(!)に、『あやかし協定』の2巻も出ます。こちらはエンタメもエンタメ、ドエンタメですが、ぜひご一緒にどうぞ↓