【お知らせ】
4月に新刊出ます!
『セントエルモの光 久閑野高校天文部の、春と夏』(講談社単行本)
www.hanmoto.com高校生が主人公のYA。ずっと書きたかった天文部ものです!
詳細はまた近くなりましたら。
【お仕事】
・確定申告を(泣きながら)やる。
・ゲラ。
・短編。
・企画。通ってくれ。
・資料読み込み。
・その他もろもろ雑事。小説家は小説だけ書いていればいい…そんなふうに考えていた時期が私にもありました。
・日本児童文学者協会関西センターの読書会に参加しました! みなさん気さくでとても楽しかった。詳細はこちらにレポート書かせていただきました。
【読んだ本とか観た映画とか】
・『一杯のおいしい紅茶』ジョージ・オーウェル(中公文庫)
『1984年』や『動物農場』で有名なイギリスの作家・オーウェルの随想集。*1
タイトルにもなっている「一杯のおいしい紅茶」というエッセイがめちゃくちゃクドくて最高。紅茶の淹れ方、やっぱこだわるんですね。さすがイギリス人。
完全な紅茶のいれかたについては、わたし自身の処方をざっと考えただけでも、すくなくとも十一項目は譲れない点がある。そのうちの二点には、大方の賛同を得られるだろうが、すくなくとも四点は激論の種になることだろう。
なお「紅茶が先かミルクが先か」論争は拙作『毒舌執事とシンデレラ』でも取り上げましたが、オーウェルは紅茶が先派のようです。ちなみに(映画を見る限り)メアリー・ポピンズはミルクが先派。
・『ネガティヴ・ケイパビリティで生きる』谷川嘉浩・朱喜哲・杉谷和哉(さくら舎)
「ネガティヴ・ケイパビリティ」とは、「物事を宙づりにしたまま抱えておく力」のこと。
「論破」とか「老人は自害」とか、わかりやすすぎるラディカルな言葉が溢れていて、ほとほと疲れています。難しい問題にぶち当たったときに必要なのは、逆張りの論理で問題自体を透明化したり、相手を愚かな存在だと決めつけて議論を封じ込めたりすることではなく、わかりあえなくても議論をやめないで、粘り強く咀嚼し続けることなんじゃないでしょうか。この世はわからないことばかり、でもわからないときこそ、「立ち止まって考える」ことをサボってはいけない。自戒も込めて、ですけど。
・『エンパイア・オブ・ライト』
海辺の映画館を舞台に、中年の白人女性と若い黒人青年の絆を描く映画。すごくよかったです。
主人公の片方は実は統合失調症なのだけど、その描き方が素晴らしいと思った。フィクションはともすれば、「メンタルに問題のある人=ふつうの人の日常とは交わらない特殊な存在」と描きがちだったかもしれない。でも考えてみたら当たり前のことだけど、統合失調症だからって全員が全員、精神病棟に隔離されなきゃならないほど状態が悪いわけじゃない。薬を飲み病院に通いながら働いて、ふつうに社会の中で生きている。調子の悪い日もあるけどいい日もあるし、誰かを励ましたり、周りの人々と絆を結ぶことだって、もちろんできる。主人公二人を取り巻く映画館スタッフたちが本当に温かくて、希望に満ちたラストもよかった。おすすめ。
【その他】
・岡山県屈指のクセ強遊園地・鷲羽山ハイランドでバンジージャンプをしてきました! ここのバンジーは飛ぶと出世するという都市伝説があるのです。一生に一度は飛んでおきたかったので、厄落としも兼ね*2満を持して飛んできました。超楽しかった!
動画が埋め込めないのでガビガビGIFですが、こんな感じでした↑
バンジー台自体の高さは大したことないように見えるでしょ。でも実はここ鷲羽山という山の頂上なので、海抜が高く、視界は遮るものなし。加えて、バンジー台はけっこう揺れるのです。怖い!
でも、覚悟を決めていざ飛んでしまえば、本当に本当に本当に気持ちよかったです。なにしろ瀬戸内海の島々や瀬戸大橋まで見渡せる360度パノラマ! 飛んだ後はアドレナリンが出て超ハイになりました。付き合ってくれた友人たち、ありがとう。
通過儀礼でバンジー飛ぶの、わかる気がする。人生が変わるというと大げさだけど、「バンジーが飛べたんだから何でもできるはずや」と思えますよね。よーし出世するぞ。
ところでこの鷲羽山ハイランドは、ブラジリアンパークという二つ名の通りブラジルがテーマの遊園地なのですが、全てにおいて説明が皆無なので*3、以前ブラジル留学していた友達に色々解説してもらいながら回りました。コパカバーナビーチ風の波模様のタイル、セラロンの階段に似せた階段、くじ引きの景品として雑に配られたボンフィンリボン……解説なしで理解できるお客がどれだけいるのだろうか???
なんにせよ超楽しかったです。お近くの方はぜひ。
*1:天川は大学院で英文学を研究していたのですが、いっとき机の前に"Big Brother is Watching You"の張り紙を貼っていました。緊張感がすごい。
*2:本厄を気にしすぎてもはや厄払いがエンタメツアー化している私。厄年にかこつけてあちこち旅行するのは楽しいです。お伊勢参りしてた人たちもこんな気持ちだったのかな。
*3:「問答無用」がブラジリアンパークの流儀。恥を捨ててサンバを踊ろう!