青の名前

青の名前

天川栄人のブログです。新刊お知らせや雑記など。

MENU

カフェイベント『虹色のパズル』

 ライラ・カンパニー様、cafeユークリエイト様のご協力で、8月6日、7日の2日間、名古屋にてカフェイベント『虹色のパズル』が開催されました。
 ショーやトークを通して、ドラァグクイーンを身近に感じられるイベントです。
 私は6日のみの参加でしたが、もう、めちゃくちゃ楽しかったです。

 まずはライラさん、ルミ子さん、こっぴーさんによるショー。ドラァグクイーンのショーといえば、リップシンク(口パク)です。ドラァグクイーンを見たことない人、なんかいかがわしい芸をする人たちだと思ってる人、騙されたと思って一回ショーを観てほしい。本当に本当にかっこいいから!!*1 お衣装も可愛くて最高でした。

クイーンさんたちのショー。驚異のハイヒールを見よ。

 それから、ユークリエイトさんが今回のイベントのために用意してくださった虹色スイーツやドリンクを楽しみながら、クイーンさんたちとお話。

虹色メニュー。チーズケーキ美味しかったです!

 ライラさんがインタビューの時間を設けてくださり、『虹色のパズル』の内容や、気に入っているシーンなどについて、私から来場者の方にお話しました。その場でお買い上げくださったみなさまには、本にサインもしました。ありがとうございます!

 ライラさんは名古屋レインボープライドの代表だけあって、LGBTQ+関連の知識が豊富! プライドフラッグの意味の解説や、LGBTQ+関連書籍の紹介もありました。

関連書籍。ジェンダーがテーマの絵本も。

 そしてみんなでドラァグ体験……は難しくても、クイーンさんたちの視線なら体験できる、ということで、ハイヒールの高さを模した台に乗って記念撮影。

クイーンさんに囲まれるちんちくりんの天川。

 お子さんは絵本やおもちゃで遊び、大人はお酒を飲みつつ楽しくおしゃべりをし……カフェとバーの中間のような感じの雰囲気で、3時間があっという間でした。

 絵本の読み聞かせをされている方がいらしたり、「娘が養護教諭なので保健室に置いてもらいます!」とおっしゃってくださる方も。本当によいご縁をいただいたと、感謝の気持ちでいっぱいです。

 基本的にドラァグクイーンのお仕事は夜がメインですから、昼間からクイーンさんたちと触れ合える機会って、けっこう貴重です。そのおかげか、クイーンさんの登場前からカフェはほぼ満員。作者の私は隅っこでぼうっとしていただけですが*2、クイーンさんたちやカフェスタッフの方のおかげで、とても楽しい時間になりました。
 来場者のみなさんも、人見知りの私に気軽に話しかけてくださって、とても嬉しかったです。ありがとうございます!

番犬ガオガオで遊ぶライラさん。かわいい。

 そして何より、今回、名古屋という場所でイベントを開催していただけたことが、奇跡みたいで嬉しいです。

 というのも、何を隠そう(別に隠してないけど)、『虹色のパズル』の舞台は名古屋市なのです(作中ではN市と表記しています)。

 取材でお世話になったライラさんがいらっしゃる都市だから、というのももちろんあるのですが、もう一つの理由としては、執筆当時(2022年)、名古屋市にパートナーシップ制度がなかったからです。

 多様な市民を抱える大都市でありながら、N(名古屋)市には同性パートナーの権利を擁護する枠組みがありません。そのせいで、作中では、主人公の叔父でゲイの圭一郎と、同性パートナーの真さんとの間に、一悶着起こったりします。

 変わりゆく価値観に制度が追いついていない、過渡期の日本社会の縮図として、名古屋市はちょうどいい舞台だと思ったのです。

(なお、原稿を書き終えた後の2022年12月、名古屋市でもパートナーシップ制度(名古屋市の名称はファミリーシップ制度)が開始されました。作中の描写とはズレてしまいますが、これはもちろん喜ぶべき変化です。私は名古屋市民ではありませんが、このニュースを聞いてとても嬉しかったのをよく覚えています。)

 作者としてはもちろん、できれば時代を超えて長く読まれてほしいです。でも同時に、「こんな本が出るなんて、昔の人は窮屈だったんだね。でも社会は変わったよね」と言われる日が一刻も早く来るといいなと願っています。

お集まりいただいたみなさま、本当にありがとうございました!

 このイベントをきっかけに、ますます『虹色のパズル』の輪が広がっていきますように。改めまして、本当にありがとうございました!

www.shinko-keirin.co.jp

*1:大阪や東京のバーで見たことはあったけれど、真昼間からこんな近距離でクイーンのショーを見られる機会はそうないので、本当に嬉しかったです。

*2:このイベントに関しては、私はマジで何もしてないのです。気がついたらライラカンパニーさんとユークリエイトさんがイベント企画してくれていて、編集さんが本を送って来場者特典のポストカードまで刷ってくれていて、私はその間ぼうっとしてました。この作品は本当に人に恵まれているなと思います。