【あらすじ】
「物語の王国へおいでなさい、アミル」本好きな少女・アミルが招かれたのは、『物語機関(ノベルエンジン)』という独自の技術を使って本を独占し、長い戦争の中で中立を保つイストリヤ王国――通称『物語の王国(ノベルダム)』。遅刻魔の上司・ディレイや個性的な同僚とともに王立図書館司書『本の虫』として働き始めるアミルだが、広大な図書館には未完の傑作『五國物語』の謎が隠されていて……!?
【よもやま】
第13回角川ビーンズ小説大賞・審査員特別賞受賞作。天川のデビュー作です。
もしも、お城のような超巨大な図書館があったら? 物語が具現化する技術があったら? 夜の図書館、小型飛行機、月光、ペン、自分だけの大切な一冊……どれか一つでもビビッと来る方は、ぜひ。
受賞したのは角川ビーンズ文庫の賞ですが、文庫ではなく単行本での出版という、少々特殊な形でのデビューでした。デザイン面での遊びも含め、やりたいことをやりたいようにやらせていただき、編集部のみなさまには、心から感謝しています。スオウ先生にイラストをつけていただけたのも、一生の自慢です。
「デビュー作にはその作家の全てがある」と言われます。物語るということを、これからもずっとずっと、真摯に考えていこうと思います。