青の名前

青の名前

天川栄人のブログです。新刊お知らせや雑記など。

MENU

高校生文芸道場おかやま2023

 高校生の文芸部の岡山県大会、高校生文芸道場おかやまに、今年も散文部門講師として参加しました。

全体会はこんな感じ。散文部門の参加者は36名でした。

 散文部門ワークショップでは、「キャラからストーリーを作る」という目標で、

・ランダムに配られた性格カードから、キャラクターシートを埋めてキャラを作る
・2人1組になって、それぞれのキャラの美点や欠点、成長課題、それらが現れるエピソードを考える
・エピソードをもとに、両方のキャラが登場するお話のプロットを作る
・プロットをもとに短編小説を執筆する
・出来上がった作品を読み合い、鑑賞する

という内容を、計3時間で(!)こなしてもらいました。

性格カードとキャラクターシート

 時間の読みが甘く、お昼休みまで使って作業をさせてしまったこと、大変反省しています。「あと5分でキャラをまとめて!」「あと2分で書ききって!」なんて、ふだんあんなにプレッシャーのかかる執筆ってないよね。ごめんね。でもみんな必死に食らいついてくれました。すごい!

 こんなスパルタなワークショップをやるのは、何年もこの大会の審査員を担当してきて、書ける子たちばかりだって知っているからです。気づいてないかもしれないけど、みんなすごい才能を持っています。少し訓練すればどんどん伸びるはずです。私は生徒さんたちの書く力を尊敬しているし、ハチャメチャに期待しているのです。

 実際、書き上げた作品を何人かに読み上げてもらったのですが、思わず鳥肌が立ってしまうような、ものすごいクオリティの短編が仕上がっており……私ちょっと本気で涙ぐんでしまいました。みんなすごいよ。本当にお疲れさまでした。

 ふだんは〆切に追われ、なかなか小説の技法についてまとめたり勉強したりすることも少ないので、年に一度、こうして自分の書き方を棚卸して整理するのは、とてもよい機会になっています。だいたい、私は誰かに師事したことも、創作教室に通ったことも、同人誌に参加したこともなく、完全に独学でぬるっとデビューしたタイプなので、(こんなこと言うと怒られそうだけど)本当は私なんかがえらそうに教えてあげられることなんてなくて、むしろ生徒さんから学ぶことばかりなんです。期待以上のパフォーマンスを返してくれて、本当にありがとう。そして運営に携わっていただいた先生方にも、厚く感謝を申し上げます。

 来年はどんなワークショップにしようかなって、今からわくわくしています。岡山の文芸を盛り上げていくため、これからも頑張ります!